こころ(夏目漱石)に出る漢字 五 読み取り

先生と私 五

墓地
苗畠
楓を植え付けた
端れに見える茶店
眼鏡の縁
突然立ち留まって
言葉を二遍繰り返した
森閑とした昼の中に異様な調子をもって繰り返された
応えられなくなった
後を跟ける * 跟は「したがう、つき従って行く、かかと」の意味
先生の態度
表情の中には判然いえないような一種の曇り
得心したらしい様子
意味がまるで解らなかった
神僕ロギンの墓
傍らに
一切衆生悉有仏生と書いた塔婆
全権公使
安得烈と彫り付けた小さい墓
苦笑した
墓標が現わす人様々の様式
滑稽もアイロニーも認めてないらしかった
丸い墓石
細長い御影の碑だのを指して
黙って聞いていた
真面目に
大きな銀杏が一本空を隠すように立っていた
高い梢を見上げて
綺麗ですよ
この木がすっかり黄葉して
金色の落葉で埋まる
凸凹の地面をならして新墓地を作っている
鍬の手を休めて
街道へ出た
どこへ行くという目的のない私
口数を利かなかった
窮屈を感じなかった
お宅へお帰りですか
別に寄るところもありませんから
ご親類のお墓





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