単語の役割 代名詞

 名詞は聞いたことがあるけれど、「代名詞」(だいめいし)はあまり聞いたことがないという人がいるかもしれません。ちょっと読みかえてみると、「名詞に代わる」になりますね。代名詞とは「名詞に代わる言葉」という意味です。代名詞は英語で pronouns (プロナウンズ)と言います。

たとえば、ちょっと離れたところに英語の辞書があって誰かにその辞書を取ってほしいと思ったとき、「辞書を取って」とお願いします。または、その辞書を指差しして「それを取って」とお願いするかもしれません。このときに使う、「それ」、これが辞書という名詞に代わって使われる代名詞というものです。

辞書だけでなく、「私たち」自身も代名詞になって表現されることは日常茶飯事(にちじょうさはんじ)です。今読んだばかりの「私たち」、これも代名詞です。何の名詞の代わりになっているかといえば、この文を書いている「私」とこの文を読んでいる「あなた」、今は読んでいないけれどいつかこの文を目にするかもしれない「誰か」・・・この人たちすべてをひっくるめて「私たち」という代名詞で言いかえています。

そうすると、わたし、あなた、彼、彼女、私たち、あなたたち、彼ら、それ、それら・・・これらすべて代名詞ということになります。一つ一つの言葉の意味をよくみてみると、「わたし」は一人の人間のことを指し、「私たち」は今は何人か分からないけれど、一人ではない何人かの人々のことを指しています。「彼」は一人でまた性別は男性である人間のことを指し、「彼女」は一人でまた性別は女性である人間のことを指しています。 このように、一人か複数(ふくすう)か、男性か女性かで使い分けるという特徴があるのも代名詞です。