【スペイン語】好みを表現する動詞gustarの使い方
好みを表現する動詞gustar
スペイン語 の動詞 gustar (グスタール)とその仲間の動詞 parecer、faltar、hacer falta、quedar、doler、pasar、caer などは、そのほかの動詞と異なって少し特殊な使い方をします。
好みを表現する動詞gustar 使い方と意味
gustar を日本語に訳すと、「好む」ではなく「好ませる、気に入らせる、喜ばせる」という意味で、たとえば、「わたしは~が好きである」と言いたいがためにいつもの規則動詞の変化を gustar に当てはめて
Yo gusto ~.
と書いても正しくはありません。次の表では、gustar の活用は3人称単数と複数しか書いてありません。もちろん、1人称単数から3人称複数まで活用はするのですが、この動詞は3人称単数と3人称複数の人や物を主語として使うからです。
動詞gustarの現在活用 | |
---|---|
主語 | 現在活用 |
— | — |
— | — |
él/ella | gusta |
— | — |
— | — |
ellos/ellas | gustan |
ここまでの説明をスペイン語の例文に直してみると、
1. ese cuadro gusta 「その絵画+気に入らせる」
2. los mangas japoneses gustan 「日本のマンガ+気に入らせる」
3. escribir gusta 「書くこと+気に入らせる」
となります。
ese cuadro と 動詞の不定詞 escribir は3人称単数の扱いで動詞は gusta、los mangas japoneses は3人称複数形の扱いで動詞は gustan になっています。これらの物や「書く」という行為が主語になり、上で書いた「私」や「あなた」、「彼」などは直接の主語にはなりません。
この3つの例文は、「自分の好み」を伝えるにはまだまだ不十分です。では、どうすれば正しい文になるかというと、一番最初に書いた gustar を含むこれらの動詞は常に間接目的語の代名詞をその好みの受け取り手として必要とします。間接目的語の代名詞と言ってもなんのことかさっぱり分からないですから、表を見てください。
間接目的語の代名詞 | ||
---|---|---|
人称 | 代名詞 | 意味 |
yo | me | 私に |
tú | te | あなたに |
él/ella/Ud. | le | 彼/彼女/あなたに |
nosotros | nos | 私たちに |
vosotros | os | あなたたちに |
ellos/ellas/Uds. | les | 彼ら/彼女ら/あなた方に |
これらの代名詞を上で示した3つの例文に当てはめてみます。
1. ese cuadro me gusta
「その絵画+私に+気に入らせる」
2. los mangas japoneses te gustan
「日本のマンガ+あなたに+気に入らせる」
3. escribir le gusta
「書くこと+彼/彼女/あなたに+気に入らせる」
このようにすると、「何が誰に気に入らせるか」ということがはっきりします。しかし、日本語で好みを伝えるときに、「その絵画が私に気に入らせる」などと言うことはありません。自然な日本語ならば、「私はその絵画が好きです」と言うところです。つまり、スペイン語の文を辞書が教えてくれる訳の通りに読むと例文で示したようになりますが、私たちが普段自然に会話するときには「~が好きです」という文になるわけです。
3つの例文をもっと自然なスペイン語の語順に直すとこうなります。
1. Me gusta ese cuadro.
「私はその絵画を気に入っています。」
2. Te gustan los mangas japoneses.
「あなたは日本のマンガが好きです。」
3. Le gusta escribir.
「彼/彼女/あなたは書くことが好きです。」
3 の例文は「彼/彼女/あなた」のどれかになるわけですが、彼は彼でも 「Juan(フアン)は」や「mi amiga(私の友人)は」のように具体的に誰が好きなのかということを付け加えたいときは、前置詞の A を固有名詞の前につけて、
A Juan le gusta escribir.
「フアンは書くことが好きです。」
A mi amiga le gusta escribir.
「私の有人は書くことが好きです。」
このように書くことでさらに詳しく述べることができるようになります。